どことなく
折り返し地点を過ぎた気配のアジサイたち。
来客があることもあり、
小径に倒れてきたり
伸び過ぎていたりする箇所を剪定したのですが
その剪定した枝を使って
室内のあちこちに生けてみました。
こちらは
さるお客さまにいただいた「手あぶり」(火鉢)に
無造作に生けてみたヒメアジサイ。
アナベルは
骨董のコンロ(…でしょうか?)に どっさりと。
白〜ライムグリーンへの過渡期の
微妙なカラー・バリエーションを楽しむ趣向です。
ウワスラのピッチャーへは
秀でて白いひと枝を 花冠のように。
長谷川先生の一輪挿したちには
それぞれ違う趣きの花を飾って。
繰り返し咲いてくるジュード・ジ・オブスキュア(右)は
フルーティな香りを
惜しげもなく放ってくれるのもうれしいのです。
(左)はクロコスミア。
弊社サイト トップページに
月替わりで何かひとつおすすめのものを紹介している
「this month’s offer」にもとりあげたのですが
この時期の庭のアクセントとして欠かせない花です。
ごく小ぶりなアナベルは
一枚の病葉以外
葉っぱをほとんど取って、
アイアン作家・松岡信夫さんの一輪挿しへ。
庭にあるときとはまた異なる
寂びた表情を引き出せたように思います。
iittalaのAlvar Aalto Vaseには
ブルーのヒメアジサイを。
1989年のひと夏
一緒に仕事をさせていただいた
デンマークの方々から
帰国の際 記念に頂戴したこのベース。
いつもなら いの一番に引っ剥がす
(i)のシールですが
これは いただいたときのままにしています。
もしかして いや確実に
既に鬼籍に入られた方もいらっしゃるであろうことを思えば
見るたび 使うたびに
殊更の感慨を抱く花器なのでありました。
富永順子さん作のウッドブロック・ベースと
長谷川先生作の一輪挿しボウル。
「手術台の上」ならぬ
「書棚の上の出会い」や如何に…?
(出典:「マルドロールの歌」by ロートレアモン伯爵)
さまざまな器との組み合わせで
庭にあるときとは
また違った貌を見せてくれる花たち。
こんな風流で面白くて
それでいてお手軽なあそびは
そうないんじゃないかな、と思います。
みなさまも 機会があれば
【器との対話】と【花との対話】、
ひいては 【自己との対話】を どうぞお試しあれ。
決して
各種華道流派を
無下にしている訳ではないのですが、
これらの対話の上に成り立った「無手勝流」こそ
自分自身にとって意味を持つのではないかしら。
強いて言えば
師事したいのは 私の知るかぎり
この方のみ…かも。