最近 中長期予報がそこそこ的中しているので
明日からは雨、とわかっていたため
この晴れ間に一組の来客をお迎えしました。
ムクロジの樹下が途轍もなく絵になる
今日の光と色彩! そして 空の青さ!
ガクアジサイも見ごろになってきましたね。
初々しいブルーと 淡いライムグリーン。
この神々しい眺めを 何に例ふべきか。
ホタルブクロは 衰えながらも
アジサイ群にピリリとアクセントを効かせてくれています。
ヒメアジサイをひと枝切って
テーブルに生けてみました。
エルダーフラワーのコーディアルと
爽やかさを引き立て合っているかのよう。
フランスでは
「オルタンス(Hortense)」という女性の名前から
Hortensiaと名付けられたというアジサイ。
Hは発音しないんだ、ということを
オルタンスという妙齢の女性が登場する
ルパン・シリーズのこの一作で知ったのは 約半世紀前。
この表紙絵、懐かし過ぎます!
当時から 時代錯誤で古臭いなぁ…と感じつつ
(1958年初版だったそうなので無理もありません)、
そういうのも嫌いじゃなかったわたくし。
オルタンス・ダニエル
オノリーヌ・ヴェルニッセ
イレリー・コブロー…
連続殺人犯(斧を持つ貴婦人)が狙う相手はみな
確か行方不明になってから8日後に
酷い状態で発見される、ということだったかと。
インパクトのある名前ばかりだったので
メイン処はしっかり記憶していました。
確か オノリーヌ嬢はお針子さん、
イレリー嬢は洗濯女だったと思います。
何という フランスっぽい設定…!
( 脱線しますが…
同時期の記憶の断片としては
「フェノールフタレイン」とか
「ブロムチモールブルー」などもございます…(笑))
オルタンスはすんでのところで被害者になることを逃れ
レニーヌ公爵(=アルセーヌ・ルパン)と
犯罪の謎を解いていくという
重要な役どころだったかと…
その辺の記憶はあいまいです(笑)
今考えると 相当昏い犯罪を
エンターテインメントとして
巷の小学生もサラッと楽しんでいたんだな。
南洋一郎さんは
日本語訳にあたって かなり脚色を加えていたようで
原作に忠実な翻訳を好む人からは批判もあるみたいですが、
南チルドレンとしては
フランスのダークでゴシックな雰囲気を伝えてくれて
その後の人生に少なからず影響を与えてくれたことへの
恩を感じずにはいられません。
さてさて
HortenseからのHortensia名付けという説がある一方、
もともと語幹にある「Hort」が
「庭園」を意味しているというのも見逃せない事実。
日本語の「アジサイ」は
“「藍色が集まったもの」を意味する「あづさい(集真藍)」が訛ったもの”
と言われていますが
そこには
「azur(=青)」も密かに絡んでやしませんか?
……あると思います!(笑)
言葉は
気が遠くなるような長い年月をかけて
何かを隠すかのように複雑に絡み合っているのだろうし
その実
きわめてシンプルな構造でもあるのでしょう。
エビデンスは 己の直感。
それは、遠い遠い記憶なのかも…