Hamori’s blog

ガーデンアトリエ葉守のひとりごとです。

椿熱

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いつもお邪魔する園芸店では

椿のさまざまなコレクションが 

店頭を賑わせている この時期。

 

花や蕾や葉の佇まいもさることながら

それぞれのネーミングに趣きが込められており、

こりゃ風流ですなぁ…と

本体と名札とを見比べつつ

しばし長居してしまうのです。

 

 


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江戸時代に 椿の一大ブームが巻き起こり

それはある意味 今も続いているのでしょうが、

往時の熱狂ぶり・新種開発への賭けようには

そりゃ凄まじいものがあったようです。

 


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どうも 個人的には

絞りのものに惹かれてしまう傾向が…

ああ、なんて素敵。

 


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乙な名付けも

作出家のセンスの見せ所であったことは

想像に難くありません。

 

お能や歌舞伎の登場人物や 

それにまつわるであろうものなども散見されたりして

お、粋だねぇ…と

生産者・種苗商の側と 見る人・お客側との間で

趣味と趣味が通じ合う火花をチカチカッと散らすのが

また楽しみだったんでしょうね。

 

 


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それにしても

家に居ながらにして 

江戸時代に発行された「椿花図譜」全二巻を閲覧できるなんて

幸せ過ぎて バチが当たりそう…

(以上 国立国会図書館デジタルコレクションより)

 

 

偶然見つけたのですが

椿油専門メーカーの家に生まれたという

木全典子さんの“ 椿愛”に満ち満ちたサイト

「つらつら椿」https://tsubaki-fan.com/では

いろんな切り口から椿の魅力を語ってくださっています。

 

“椿旅”と銘打たれたページでは

木全さんのお眼鏡に叶った 全国各地の椿の名所が紹介されており、

この近くでは

豊中服部緑地植物園に

見事な椿園があることを知りました。

これはぜひ 近々訪れなければ…!

 

そして

珍しい品種の紹介ページでは

それぞれに なんと美しい趣きがあること!

https://tsubaki-fan.com/category/varieties/

 

チャドクガを恐れるあまり

庭に椿を植えることを敬遠する方も多いと思いますが、

こんな魅力を見せつけられると

なかなか抗い難いなぁ…

 

 

Ladybird降臨!


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ウッドデッキ上に置いた鉢植えヒアシンスが

陽気に誘われて

ぐいぐい成長してきました。

 

この 緑の中の青紫色…!

個人的に いちばん

春の訪れを感じる色です。

ピンクとか黄色じゃなく、春は断然 ブルー系!

 

 

ヒアシンスは

ギリシャ神話に登場する美少年ヒュアキントスの

悲しい事故死(アポロンの投げた円盤が誤って頭に命中。ちなみにアポロンは彼に大層ご執心だった)の後、

地面に滴った彼の血の跡から芽生えて咲いたことから

名付けられたんだとか。

(とはいえ

今のヒアシンスとは異なる花だったという説もありますが)

 

何でもありの神話の世界にあってさえ

なんて話だ!…と思わないではありませんが、

まあ この花は「死と再生」を象徴する存在なのでしょうね。

 

 

 

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ん?

鉢の下の方に蠢く何かが…

 

 


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ウゴウゴ あっちこっちへ彷徨う

キュートなてんとう虫!!

 


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英国ではLadybird

米国ではLadybug

その他 Lady-beetleなんて呼ばれたりしているこの虫。

 

なんでLady〜かというと

単なる「貴婦人」ってことじゃなく

聖母マリア」様にちなんでいるらしく…

 

 


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マリア様が赤いローブを纏った姿で描かれることが多かったことから

なぞらえられたのではないかと言われており、

背中の「ななほし」は

マリア様の七つのよろこび/悲しみに例えられているようです。

 

 

↑ 鉢側面の 赤みを帯びた窯変スポット付近に

奇跡の降臨…!(笑)

 


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じーっと観察していると

ふうっと跳んでってしまうことが多いてんとう虫ですが、

この子は肝が座っているのか、泰然自若。

 

微妙なパープルカラーの球根の狭間で

艶やかな赤い姿を

惜しみなく拝ませてくれたのでした。

 

Daffodils

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先日来 室内にあしらって

楽しませてもらっているスイセン

 

日本スイセン

里庭のベンチ周辺で

ふんだんに咲き誇り続けていて、

ちょっとやそっと摘み取ったぐらいでは

全く多勢には影響がないみたいです。

 

 


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オーソドックスな一重あり、

 


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白がちな八重咲き品種あり、

 

医院時代から植わっていたと思しきコレクションが

どんどん分球して

ちょっとした群落をなしているわけなのです。

 

 

 


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ウッドデッキ上に飾った鉢植えの品種は

「テータテート」。

 

(…と 通常カタカナ表記され 呼び慣わされてていますが、

実のところは “ tête-à-tête ”、

つまり

head-to-headもしくはface-to-face

という名前なのですよね。)

 


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同じ場所に並べているこちらの鉢は

先日まで蕾の状態だったのに

すっかり追いついて

いまや先行グループと妍を競うまでに。

 

日本スイセン

やけに背高なせいで

無闇に折れたり 倒れたりしてしまうのに比べ、

なんと賢く コンパクトな この子たち。

 

身の丈に合った

花-茎-葉のバランスに 安堵します…!

 


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お顔とお顔を寄せ合って

なにやら楽しいおしゃべりが聞こえてきそう…

 

ナルシストさんたちの集まりとは

あまり感じられず、

献身的に 庭景色を楽しいものにしてくれる

健気なエンターテイナーたちに思えてなりません。

 

花は

別に 人間のために咲くわけじゃないんだよ

という考えも ごもっともだけれど、

花を見てうれしくなる この想いや波動を

花もまた感じ取ってくれているんじゃないかと…

 

それは花にとっても光栄なうれしいことだろうし、

みんな そんな うれしうれしの意識で満たされていったなら

確実に流れは変わり

どんなにか この世は楽園に近づくことか。

 

…と妄想(笑)

 

 

 

 

春待つ息吹き

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昨日は二十四節気の最後である「大寒」。

次なる節目には第一番目の「立春」が巡ってくる訳ですから

庭のあちこちで 春への準備が急ピッチで進んでいます。

 

スノードロップが花茎を伸ばして

蕾を日に日に膨らませ始めました!

 

 


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決して条件の良くない、

半日陰にあるクリスマスローズの株も

この通り。

 

 


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何年か前の水栽培ヒアシンス球根を

地面に植えていたのが

今年も芽吹いてきました。

 

だんだんと 原種のような

楚々とした野趣のある花姿になるのも

密かに気に入っています。

 

 


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ムクロジの樹下では

フクジュソウもわずかに顔を覗かせて。

 


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こちらは ミツバツツジの新芽。

秋に少し狂い咲きしていたので

ちょっと心配していましたが

何とか大丈夫そう…かな⁉︎

 

 


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ボケの蕾。

“希望”を具現化したかのような

何とも可愛らしい形と 仄かな色味!

 

 


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そんな庭の中にあって

秋冬の名残りの紅葉を残したコバノズイナ。

 

存在感を示すこの美しいバーガンディ色もまた

小気味良いアクセントカラーとなっている、

春待つ庭の表情を

少しばかりお伝えしてみました。

 

 

 

室内にも春を少し。

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庭で咲いている水仙の中で

長い茎が折れたり倒れたりしてしまったものを摘み取って、

長谷川徹先生作の四角い花器に

低めの背丈で生けてみました。

 

縁で頭の重さを支えさせなければならないので

全体をバランス良く形作るのが やや難しい…

 

 

 

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水仙のすらりとした姿そのままだと

こんな感じ。

富永順子さん作のウッドブロックの花器に

ごくシンプルに。

(葉っぱもひと筋添えようかと思いましたが、

中に試験管を仕込んであるタイプなので

キャパ的に断念。)

 

足元に添えたのは

ホルムガードのハート型ガラス花器に

木瓜の花を少しばかり。

 

 


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椿を無造作にあしらった

長谷川先生の一輪挿し。

 

 


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こちらは 口が広め(ボウル状)の

花留めつき花器。

落ちてしまった椿の花も浮かべて。

 

 


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白いクリスマスローズ

少し小ぶりの同種の花器に挿してみました。

 

水面や空間に「余白」が生まれるのが

この長谷川先生作の花器の素敵なところですね。

 

 


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アイアン作家・松岡信夫さんの作品には

紅梅のひと枝を。

 

この作品は

以前 MIGIWAさんで一目惚れして

購入させていただいたものです。

 

多分 この状態は裏使いになっちゃってるんだと思いますが、

いろいろ試行錯誤の結果

投げ入れた花をこのシチュエーションで生かすには

この向きの方がいい気がしております。

 

 


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玄関の靴箱上には

4年ほど経過して自然な趣きを増した鉢庭。

(長谷川先生の長手鉢使用)

ありのままの 今の季節のありようを伝える

小さな庭景色となっています。

 

鳥かごから逃げた鳥が

枝先に遊んでいる…というストーリーを

即興で考えたディスプレイ。

 

手持ちの品々を上手く組み合わせて

何か新しい魅力を作り出していく作業って

本当に楽しい…!

 

 


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以前にお伝えしたヒヤシンスの

今の様子はこんな感じに。

 

咲いたときの花の写真を添えて

期待感を高めようという手法(笑)

 

モリモリ花が咲ききった状態よりも

今ぐらいの段階のワクワクが好きだったりもします。

 

 


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こちらも 洒脱な雰囲気の長谷川先生作品。

 

ロウバイツワブキをあしらって

冬の中の小さな春を表現いたしたく。

 

庭から植物を少しいただいて

そんなことができるのが何とも愉しく 、

また 何事にも変えがたいよろこびに思える訳です。

 

 


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Daumのトルソー型クリスタルと

赤いサンキャッチャー。

 

冬の低い軌道の太陽光が透過する

キラキラ美しい彩りに魅せられますね。

 

 


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玄関入ってすぐの

伊東医院メモリアル・コーナーにも

芳しい香りの水仙を手向けて…

 

そもそも 水仙だって 梅だって ロウバイだって

みんな伊東先生がお植えくださったお陰なのですからね。

 

それを我が物顔で

享受させていただける この幸せ。

 

心より ありがたく うれしく

みなさまにもお伝えしたく思った次第です。

 

 

 

 

春めきエレメント

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葉守の梅 “道知辺(みちしるべ)” の蕾が

だんだん膨らんできました。

 

白梅はあちこちでそろそろ

ちらほら咲き始める時期なのですが

紅梅としては 早めのスタンバイとなるこの品種。

 

すぐ近所の梅林と競い合いつつ

共にハーモニーを奏でるような梅の木が

この界隈には至るところに存在しているようですね。

 

町内一帯が 梅の香に満たされる季節も

もうすぐです…!

 


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そんな春めき気分を高めるべく、

ウッドデッキ上の「鉢庭」を

それぞれブラッシュアップし、

精鋭をセレクトしてみました。

 

雲間草に植え替えた一鉢は

青海波の染付の端正さと 可憐な花のコントラストが売り。

(非売品ですが)

 


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陳列台を減らしたこともあり

すっきりスタイリッシュな気配に。

 

ヒナソウの鉢(右から2番目)は

春先取り感に溢れてますね〜

 


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飼い葉桶のようなブリキの鉢には

ネモフィラを群で植えてみました。

 

水ぬるむ頃には

淡ブルーのどっさり感で魅了してくれることでしょう。

 

早春のブルーガーデンへの

鮮やかな序章となってくれそうです!

 

 

 

とんど@八幡神社

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近くの神社で夕方から行われる「とんど」に先駆けて、

お正月の注連飾りなど

焚き上げていただきたいものを納めに行ってまいりました。

 

ここは駅から徒歩30秒の立地ながら

境内(社殿の裏手)には

ほぼ原生林の如き 常緑広葉樹林が広がっていて、

何かしら近づき難いような

昼なお暗きミステリアス・ゾーンもかなり内包しています。

 

 

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本殿前のすっきり明るい広場では

すでに集まって来ているお飾りや破魔矢などが

組んだ青竹のまわりに。

 

すぐ近くでは

刻々と持ち込まれて増えていく焚き上げ対象物を

一生懸命仕分けしてくれています。

 

夕方の点火に立ち会えないのが残念!

 

 

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↑とんどのイメージ画像

(「野鳥撮り趣味の動画」さんによる写真ACからの写真です。)

 

夕方からはあいにくの雨模様になった当地ですが

今夜は遅くまで

このとんどの火を燃やし続けておられるとのこと。

 

とんど(左義長)は

注連飾りや門松を憑代として

お迎えした歳神さまを

炎とともに見送ろうという習わしなのですね。

 

燃え尽きた灰を

門口や家のまわりに置いたり撒いたりすることで

災厄や病から守ってくれると信じられています。

 

 

パンデミックによる危機が喧伝される昨今、

悪霊退散!!…とばかりに

今こそ

日本中でこれをなすべきかもしれませんねぇ。

 

 

阪神大震災では

ほぼ全ての社殿や鳥居が倒壊してしまったこの神社。

四半世紀経った今

いろいろな感慨が湧いてまいります。

 

人が心に想う願いや 精神性は

容易くは破壊できないのだと…